私が子供の熱で職場から呼び出されて
子供を引きとって帰っていたとき
子どもがハーゲンダッツのバニラを食べていて
そんなものを食べる習慣をつけてしまった自分を深刻に反省していた
そんなとき
あなたはふらりとやって来て
欲しいのは物語だとかなんとか
生活は感覚を定形化させるとかなんとか
宇宙人みたいなことを言って
私はその時痛切に感じたものだ
私の目の前にいるのは
公的には役に立っていても
私的に役に立たない人間なのだ
こんな男をニコニコとおだてている女もいるだろうと思うと
気が遠くなった
此の人の母親がくっきりと見えた
そんな私の心がかろうじて通じたのか
少ししてあなたはいなくなった