いい先生

「よく話を聞いてくれるいい先生」と言われるためには
患者さんの耳に痛いことを言ってはいけないし
患者さんの言いにくいことを言わせてはいけない
心地よいことだけを言い、言わせる
それではじめて
「よく話を聞いてくれるお医者さん」ということになる
当然、治らないし、治療は遷延化する
小児・思春期を扱う場合には自然に子どもが成長するから
それで構わない
子供の身長が伸びても
治療者のお手柄になる

どんな患者さんが来るか分からないので
「予約がいっぱいなので、初診はうけられません」と
リスクを回避する
あるいは二ヶ月先の予約になりますと伝える
二ヶ月待てるならば難しい患者さんではないだろう

「クスリを使わない」方針をとれば
いい先生と呼ばれる 
治らなくて困る人はよそに転院してくれる
治りたくない、病気でいたい人達だけが 
通うことになる
病人アデンティティと治療者アイデンティティで
コスプレを続ける
復職支援ならばリワークアイデンティティで安定したい人達が通う

治りたくない患者と
治したくない治療者が
侵襲性のないことを続けていい気分らしい 
誠に平和である